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となりの院長さん

第13回 むらおか動物クリニック 村岡 登 院長 制作日:2014年8月18日

むらおか動物クリニック

村岡 登(むらおかのぼる) 院長 1954年11月13日生(60歳)午年 秋田県横手市出身

【出身大学】
北里大学

【獣医を目指した理由】
地元の支援と信頼・信用の上に代々続く獣医業の家に育ち、地元の方々の御恩を裏切るわけにはいかないと感じており、当然のごとく、幼いころから獣医師以外の道はあまり考えていなかった。

【開院時期】
2005年、勤務先で事業継承、リニューアル開業。

【代診時代-修業先】
大学卒業後、愛知県春日井市にて勤務獣医師を経て、昭和61年より現在地、秋田県横手市の代々からの開業獣医師として、地元の御世話になる。

当時の勤務医は「勉強させて頂く姿勢」が大切な時代、医局から紹介された愛知の修業先では丁稚奉公のようなものだったが、そのかわりに獣医師としての基本を十分に学ばせてもらった。

【開院時期】
1986年、家業の動物病院を事業継承する。診療対象を大型動物から小動物に変更してリニューアル。以後、「横手動物総合病院」から「むらおか動物クリニック」へ名称変更。

【診察対象】
犬、猫、小動物一般

【診察コンセプト】
1. 獣医師の前に一人の人間であることを意識する
2. 病気を診る前に、患者を診る
3. 常にスタッフが誇れる職場環境を用意する

検査結果は大事だけれども、それ以上に目の前にいる動物そのものを診ることを忘れてはいけない。高度な知識、高度な技術だけではむらおか動物クリニックが目指す”熟した診療所”にはならない。村岡院長のモットーは、まず獣医師である前に、一人の人間として動物の苦しみ、辛さが理解でき、同時に飼い主様の不安や悲しみがわかる、そして解消できるよう努めること。この考え方が全ての診療コンセプトの土台となっている。

開業にあたって/当時を振り返ってみて/病院紹介

「開業資金が一番苦労した、いや、本当に苦労しました」という村岡院長。家業として現在の場所で動物病院を営んでいたが、当時は大動物の往診が中心のため小動物臨床をやる環境は全くと言っていいほど揃っておらず、また「全てが勉強だから」という父に援助は期待できず、一から自分で用意した。

「昭和61年ですからね、今のような状態じゃなかったですから・・・」(村岡院長)

初めて銀行に行った時も融資係には合わせてもらえず、あれやこれやと書類を求められ、受付では「・・クスクス」と笑われているような気がして恥ずかしかった。銀行はお金のない人には貸してくれないものなのだなあと実感したのもこの時だった。なんとか銀行との取引を始め、夫婦二人で始めた動物病院は10年くらいで落ち着き、病院を1.5倍に拡大し、スタッフも一人、二人と増えていくようになっていった。

現状は村岡動物病院バージョン2というべき状態で、
常勤2名、臨床3年目の獣医と院長
非常勤3名
看護師7名
事務2名
11人+非常勤という人員構成。

活動紹介【C.A.P.P.秋田】

ライフワークとしてCAPP活動を継続している村岡院長、CAPP秋田の代表でもある。

そもそも、村岡院長は「動物と共に生活することは当たり前のことなのに、我々はそれを忘れてしまっている」「化学や工業に夢中で自らの住む環境を悪化させた」「動物が住める環境とは人にとっても住める環境だが、現在人が住んでいる環境は動物にとっては住みにくい、もしくは住めないものになっているのではないか」「動物との人との相互利益のバランスが崩れ始めている」といった思いを持たれており、これらを具体的に解消していく方法としてCAPP活動に取り組んでいる。

この中で子供、社会人、高齢者と世代グループ別に人間と動物との共生について話をしてきたが、その中で、小さいころから動物に接していることで自然に動物を必要とする人間性が作られるのを感じたという村岡院長。

CAPP活動、コンパニオンアニマルとのふれあいを体験した子供が、将来、社会構造の核をなす時に自然と動物と人間の共生を考えられるようになることに期待できたが、逆に、お年寄りや大人では動物と触れ合っている瞬間に効果はあったが、今の社会の「当たり前」の中に動物を入れられないということもわかった。

今後もCAPP活動を続けられる予定ですかと尋ねると、「モチロン!」と即答頂いた。

注力している診療科

循環器、眼科を含めての加齢疾患。

最近では小型犬で15~16齢、大型犬で13~14齢まで長生きできるようになってきた。これは嬉しいことだけれども、それに伴い加齢疾患が増えてきている。出来る限りのお手伝いはやりたいので、今後は加齢に伴う疾患に力を入れていく。

将来独立を考えている獣医師にむけて/後輩へ

今の獣医師には進路と呼べるものが数多く用意されていて、それは先輩たちのチャレンジや成功体験、逆に失敗経験から出来たものだと思うけれども、基本的にはやりたい人が好きなようにやっていいと思っている。獣医療の世界は日々進歩しているので、これまでの事例にとらわれず、自由に道を作っていくぐらいでちょうど良い。

ただ、院長の経験から、どの道を選ぶにしても「自分を知ること」が大事。

取材を終えて

「みんな友達、みんな家族みたいなのが好き」と言う院長。また、インタビューの間、他の先生方に教わることはあっても、教えることはおこがましいと常に言われるような優しく、謙虚な院長。

しかし一見、物腰が柔らかく、控えめではあるが、しっかりとした軸を持っていて、還暦を迎えてもまだまだ積極的に地域貢献活動に精を出している。今後もCAPP活動を中心に、子供たちと動物の出会いや、繋がりをプロデュースしていくのだろう。楽しみだ。

それぞれの年代で獣医師は色々なことを考え、計画し、実行するが、村岡院長の場合はいずれの段階でも”動物と社会のバランス”を追求してきた方だと感じられた。その中で前述した診療コンセプトも出来上がってきたのではないだろうか。飼い主と動物と獣医、地域と動物病院、社会と動物、それぞれのつながりを考えると、むらおか動物クリニックの活動内容がきれいに説明がつく。

むらおか動物クリニック

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