Power vets

小動物臨床獣医学サイト

となりの院長さん

第4回 山下動物病院 山下光夫院長

山下光夫院長外観

大和田兼一院長  昭和42年9月9日生(42歳)

【出身大学】
日本大学農獣医学部獣医学科(現 日本大学生物資源科学部獣医学科)

【代診時代-修業先】
神奈川県横浜市 溝呂木動物病院で3年間
静岡県浜松市 アサギ動物病院で1年半

【診察対象】
診察対象は主に犬、猫。大型犬まで対応している。山下院長自身ゴールデンレトリバー(45kg)と暮らしている。ハムスター、鳥類などの小動物の診療は基本的に受け付けておらず、応相談。エキゾチックアニマルは診察対象外。

【役職・所属学会・所属協会・勉強会】

  • 静岡市獣医師会学術・セミナー委員
  • 日本獣医がん学会
  • 日本臨床獣医学フォーラム ショートレクチャーシリーズ
  • JAHA(公益社団法人 日本動物病院福祉協会)個人会員

診察コンセプト ~正直な診察、常に客観的な視点を持って~

常に飼い主さん目線の山下院長が大事にしていることは、

  • 動物を丁寧に触ること
  • 飼い主さんの不安はどこにあるのか知ること
  • 回り道をしない診療プランを立てること

例えば山下動物病院で脳の疾患が分かるかと問われたら、分からないとしか答えられない。それはCT、MRIなどの専用の医療機器が無いためだ。動物病院とは人間の世界で言えば総合診療科にあたる。その診療対象は多岐にわたり、専門設備が無いのが普通である。

そんな山下動物病院では、来院患者の99%は現在の医療知識、設備で対応できるが、まれに診断・診療の難しい症例がある。これは大学病院に送るような疾患や、専門設備を必要とするもので、自分で対応できるかどうかの判断が難しい。

山下院長はこの部分をあやふやにせず、「私に任せてください」と言える診断と「自分には出来ない疾患」と正直に認めるケースをハッキリさせようと努めている。

飼い主さんに対して「治りません」と言うのではなく、「私では治せません」と伝え、どうしたら治るのか、飼い主さんと一緒に考え、必要であれば専門の医療機関を紹介し、飼い主さんと二人三脚で何がベストなのかを探しているという。

診察コンセプトと言うにはあまりにも実直で、素直な言葉に山下院長の人柄を垣間見たような気がした。

病院紹介

現在獣医師1人、看護師3人と、計4名で運営を行っている。 女性に囲まれた職場の中、経営者として山下院長が一番苦労している点は若いスタッフとのジェネレーションギャップ。現在はスタッフ募集中のため、奥さんにスクランブル勤務をお願いしている状態である。

建物の方は戸建ての1階部分を病院とするオーソドックスな動物病院施設。駐車場9台、広めの待合室の奥に受付、その手前に2つの診察室を構える構造。受付の奥にICU、診察室の奥には準備室、処置室、オペ室がレイアウトされ、一番奥にレントゲン室という作り。全体的に明るい雰囲気の病院である。

特別目立った設備はないが、当たり前の設備を当たり前に揃えているのが気持ち良い。開業10年を過ぎ、そろそろ新しく獣医師を迎え入れる準備もできた様子である。院長としては人材採用に慎重にならざるを得ないと思うが、この病院の雰囲気を共有できる新人を近い将来、是非迎え入れてほしいと思う。

参加している学会・勉強会は

「自分自身のレベルアップが、そのまま動物や飼い主さんのためになると思っています」 地元密着型の動物病院では多いことだが、山下院長も例にもれず、病院を空けることを嫌うタイプである。このため遠方への学会参加は年3回が限度。そのかわり地元での勉強会(静岡レクチャーシリーズ)へは積極的に参加している。

今後の展望に関して

職業観を一言で表すと「情熱」です、難しい症例でもあきらめることなく、飼い主さんと一緒に治療法を探す獣医になりたい。
このように述べられたうえで、今後の目標は

”生死の見極め”
”助けられるかどうかの見極め”

の2点を出来るようになることとしている。 これは、最後の瞬間は飼い主さんに看取ってほしいという山下院長の信念である。

これから独立される獣医師に向けて「開業する前も、後も悩んだ」

祖父、父ともに長男で、自身も長男である山下院長は、昔から「親父のそばに住むのが長男の務めだ」と、思っていた。またご両親も実家のそばで開業するものだと思っておられたらしい。物件探しに悪戦苦闘し、両親には「何かあったらすぐに行ける距離なら開業していいか」と切り出し、よく話し合った。

最終的に現在の場所に落ち着くわけだが、開業した直後は一緒に飲みに行ける獣医師の知り合いもおらず、この時期の孤独感は相当こたえたらしい。

やがて静岡で臨床獣医学フォーラムのレクチャーシリーズが始まり、講義後の講師との飲み会で他の獣医師の先生に声をかけられはじめる。 声を掛けられたら断らない主義の山下院長は、ここから地域とのコネクションが強くなっている。

今では各地の学会で「チーム静岡」を自称するほど仲間に恵まれ、充実した環境を得ている。