


北里大学獣医畜産学部獣医学科学士課程終了後、病理学研究室を1991年卒業。東京にて代診を5年、麻布大学で1年間研修医として勤め、その後赤坂動物病院にて石田卓夫先生(元日本獣医畜産大学)に内科分野を学ぶ。得意分野は血液疾患。
1999年4月に静岡県富士宮市にヤマト動物病院を開院。
現在は主に犬・猫・うさぎ・鳥・ハムスターなどの小動物の診療を手掛けるが、犬などはグレートデン(グレート・デーン)のような大型のものも得意分野、実際に多数のグレートデンオーナーが来院している。一方、エキゾチック系はやや苦手分野、どうしてもと言われない限りは診療していない。
役職・所属学会:
- 日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)幹事
- 日本獣医がん研究会認定医・評議員
- 日本血液学会会員
ヤマト動物病院
http://www.yamato-ah.jp
ヤマト動物病院では、大和田院長の「気は心」というコンセプトの下、真摯な態度で診療にあたってきた。獣医師として大事にしていることは下記の3つ、
- インフォームド・コンセント
(正しい情報を得た(伝えられた)上での合意) - EBM(evidence-based medicine、根拠に基づいた医療)
- 患者さんの要望に応えられる動物病院づくり
飼い主さんに対して「聞き出し」を行い、飼い主さんの理解度を確かめながら診療を進めていくスタイルを保っている大和田院長。このため治療の説明中に一番気を使うのは話の構成と自身が話す長さ。飼い主さんの同意を得つつも、ペットの状態をしっかりと理解してもらうために、それぞれの飼い主さんに合った解説に努めている。飼い主さんの理解が不足していると判断した場合は診療時間が1時間に及ぶこともしばしば。幾度となく病院に足を運んでもらい、しっかりと理解してもらうケースもあるという。
外科手術の基本的な流れ
術前説明→術後は必ず写真を見ながら説明→回復期の説明
ヤマト動物病院では、現在獣医師5人、看護師6人その他のスタッフ2人と、計13人で運営を行っている。動物病院としては大所帯。獣医師は20~40代の各世代が揃っており、それぞれに長所を活かした診療を行っている。「スタッフについては非常に恵まれた状態です」と大和田院長。一方で世代、性別の違うスタッフとのコミュニケーションには苦労する部分もあるという。そんな時は獣医師であり、院長の奥さんである大和田 泉先生にアシストしてもらっている。
戸建ての1階部分に受付から3つの診察室、トリミングルームを備え、その奥に準備室、処置室、ウォータートレッドミル、レントゲン室、オペ室、ケージ、ペットホテルがあり、動物病院としては大きな施設である。
施設的特徴は3つあり、顕微鏡システムによる病理診断体制、ウォータートレッドミルによるリハビリテーション体制、レントゲン室とオペ室をカーテンで仕切る外科処置体制の完備である。
ここ5年、ダックス、シーズー、プードル、コーギー、ビーグルなどの椎間板疾患が増加したことを受けて、今までの治療では助からなかった動物を何とかできないかという思いから、リハビリテーションにその解決策を探し始めた。昔は整形外科の治療というと、術後は安静にさせることが常識だったが、現在は術後の早いうちからリハビリを積極的に行うことで、筋肉の付き、骨の融合率、術後の回復速度の向上が見込める。その実際の現場をカリフォルニア大学、デービス校(通称UC Davis)での勉強会で学び、自身の病院でそれを実践している。
どの動物病院にもあるわけではないウォータートレッドミル(水中歩行機)を導入し、リハビリ専任の看護師をつけた。治療に当たってはそれぞれのペットに合ったリハビリテーションプログラムを院内で作成し、テーラーメイド医療を行っている。また、専任者の意向で、個別に診療手帳を作成し、飼い主さんとの交換日記のようにコミュニケーションを図っている(スタッフが自発的に作成したこの手帳には、院長も感激したと語る)。
血液学については臨床病理、組織病理等が専門分野であり、日々の診療では全ての血液検査対象を塗抹標本検査までチェックしている。余談ではあるが、卒論はリンパ球(牛白血病ウイルス)というから筋金入りの血液学研究者の一面も持っている。
JBVP静岡レクチャーシリーズの運営をはじめとした地域の勉強会を頻繁に開催、参加している。東京から初めて静岡に来て開業したときに、飼い主さんのペットに対する意識レベルの違いに驚き、またその時の経験から飼い主教育の必要性も感じられたという。「地方だからといって獣医療のレベルが都市部と違うのは納得が出来ない、情報や技術に地域格差があってはならない」という強い信念を持ち、地域の獣医師と情報共有をすることにより、具体的にこの問題を解決しているその姿勢から、動物病院では珍しい地域の勉強会の開催や動物病院コミュニティの創造は大和田院長のライフワークのように感じられた。更にここ数年でインフラの整ったインターネットを活用した診断補助にも力を入れており、画像診断等は麻布大学などの専門医の判断を仰ぐこともしばしばあるという。
「最終的には地域の人がHAPPYになれる医療を目指したい」
どの獣医師も心がけている”丁寧な診療”は時に動物病院経営の圧迫要因ともなるが、ヤマト動物病院ではコンテンツの増加で診療レベルの維持と動物病院経営のバランスをとることに成功した。飼い主さんの要望が多様化する中で、その一つ一つに応えられるような経験、学習を続けていれば動物病院の経営は成り立つ。これから開業を考えている若い獣医師の方は、バランスシートをみる努力よりも「見て、聞いて、触る」を大事にすることが何よりの経営努力であることを分かって欲しい。
