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となりの院長さん

第2回 とりい動物クリニック 鳥居慎一院長

鳥居慎一院長

鳥居慎一院長  昭和44年6月13日生(40歳)

鳥取大学農学部 獣医学科修士課程終了後、岡山県春名動物病院に勤務。
1999年9月に静岡県富士市に「とりい動物クリニック」開業。
現在は主に犬・猫・うさぎなどの小動物の診療を手掛ける傍ら、月5回以上も各種の勉強会に参加するなど、開業後も常に獣医療情報の収集を怠らない。

主な所属学会:

  • 中部小動物臨床研究会
  • 日本獣医癌学会

とりい動物クリニック
http://www.torii-ac.com/

診察コンセプト ~基本に忠実な診察を~

「とりい動物クリニック」では、基本に忠実な診療を開業後10年間続けている。
その基本とは、

  • 丁寧な診察
  • オーナーの話をしっかりと理解する
  • 検査データの開示と説明

待合室この3つの基本を守ることで、平均診察時間は20分を越え、オーナーへの説明時間を確保することで相互理解は深まっている。その一方では、待合室が混雑して順番を待つオーナーさんからは不満の声が上がることもあったと言う。そんな中で、鳥居院長は獣医師と経営者としてのバランスを取らなくてはならず、日々その狭間でストレスを抱えながらも、オーナーさんの呼び出しベルの導入や駐車場の拡大など、真摯に課題に取り組み、一つ一つ対策を行ってきた。今後も、この診療コンセプトを守りたいと語られた。

病院紹介

待合室「とりい動物クリニック」では、獣医師2人、獣看護師3人、その他スタッフ1人の計6人で運営を行っている。広い駐車場を持つ、戸建ての1階が診察室、処置室、手術室、ケージなどで、2階部分に検査室と事務スペース、スタッフルームがある。受付には呼び出しベルが用意されており、オーナーは待合室か駐車場で順番を待つことができる。診察室は2つあり、その両方が処置室・準備室へとつながっている。また、待合室からはICUへ直接入ることもでき、緊急時にはスムーズな対応が可能である。処置室の奥には、ガラス張りの手術室をはさみ、レントゲン室、ICUが配置され、獣医師、獣看護師の導線を確保している。

注力している診療科

手術室「とりい動物クリニック」では、消化器系の診断・治療に力をいれており、内視鏡検査を積極的に導入してきた。鳥居院長は、「内視鏡検査は全身麻酔が必要になりますが、開腹手術と異なり侵襲性が低く、消化器系疾患では多くの情報が得られる検査です。観察部位と病理診断が出来る部位は、粘膜面に限られることが多いので、粘膜面よりも深部の病巣は診断出来ません。従って、この検査方法の限界を把握しながら評価していく必要が有ります。」と、複合検査の必要性を説明される。

難しかった症例、大変だった症例などは、都度その治療内容をまとめ、「とりい動物クリニック」のホームページで公開している(下記掲載症例)。

  • 難治性の下痢(内視鏡検査)
  • 食道内異物の猫の一例(釣針の誤飲)
  • 腸穿孔を伴った好酸球性腸炎の猫(内視鏡→手術)

また、「隣県に麻布大学があり、検査、診断及び治療を問わずに連携が取れるのは利点です。この恵まれた環境を生かして、今後は各種の腫瘍疾患に対するアプローチを広げたい」と語られた。

参加している学会・勉強会は

月5回以上の勉強会や学会に参加することを自身に課す鳥居院長だが、その目的は二つあると語る。一つは診断・治療、医療技術などの最新の獣医療情報を常にアップデートするため。これは勤務医の教育にもつながっており、ほぼすべての勉強会に勤務医も同行参加している。二つ目は、地域の獣医師達との情報交流に置いている。動物病院という環境は、そのほとんどが少人数の組織で運営されている。「経営者で獣医師」と言う、同じ環境にある地域の動物病院の経営者同士として意見交換ができる貴重な時間だと語られた。

最近参加している主な勉強会:

  • 富士・富士宮獣医師勉強会
  • 島田市、渡辺動物病院レクチャーシリーズ
  • 中部小動物臨床研究会
  • 日本獣医癌学会

今後の展望に関して

「獣医師という職業を誠実に努めていきたい」、今後の展望を伺った時の鳥居院長の一言である。自身の時間グラフに例えると、60%が仕事、40%が家族、その両方に少しだけ重なって約10%が自分の時間と笑顔で答えられた。そんな鳥居院長は、今後もこの職業に対して、時間的にも金銭的にも投資を惜しまず、より良い動物病院にして行きたいと静かに意欲を語られた。

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