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犬の手術前検査における血液凝固系検査の必要性

著者: 梅村 理恵(マリア動物病院)
SUMMARY:

外科手術などを行う際、その術前に動物の一般状態の観察、血液一般検査および生化学検査を実施することは必須であるが、無症候性の出血傾向にも注意を払うために、その他の検査として血液凝固系検査を行うことも必要である。 当院では、今回の被験対象となった犬235頭のデータから、健康犬で外科> 処置をする際の出血傾向を示す基準については、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、プロトロンビン時間(PT)、頬粘膜出血時間(Buccal Mucosal Bleeding Time;BMBT)をそれぞれ18秒、12秒、3.5分以上とした。一方、出血傾向が認められやすいとされている疾病(子宮蓄膿症など)については、上記基準に加え、血液一般検査のうち血小板数が150千個/μL以下の際に追加検査としてフィブリノゲン値を測定し、150mg/dL以下であったときには、DIC(播種性血管内凝固症候群)の可能性ありとし、DICの治療を優先させることにしている。 このように、血液凝固系検査は出血傾向を把握するうえで重要な検査であるが、外注による検査では費用や時間がかかるものもあり、院内で迅速に行うことが重要である。しかし、使用機器の種類・方法などにより検査値に差が出てしまうことや、どの程度の値で手術を中止すべきなのかという確立された値がないため、個々の病院において基準値を定める必要があり、検査の実施には慎重な対応が求められる。

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